37 アイスキャンデー屋さん
 夏になると、私の家の前の県道熊谷・小川・秩父線の道路を熊谷の方から、のぼり旗を立て、自転車の荷台に白い箱を積んだアイスキャンデー屋さんが、学校の小使いさんが授業の始終の知らせに鳴らしていた手振用の鐘と同じ鐘をハンドルに吊るし、チリンチリンと鳴らしながらやってきました。
 そのキャンデーの値段は5円、割り箸のような棒に刺さった幅4cm×厚み2cm×長さ15cmほどの大きさでしたが、ガリガリとした甘っぽい舌ざわりと冷たさは、何とも言えないほどの美味しさでした。
 キャンデーを一本丸ごと食べたことがあっただろうかと言う思いが未だに残っていますが、時々祖父が気を使ってお金をくれたので、アイスキャンデー屋さんの鐘の音が聞こえてくると家の外に飛び出し、アイスキャンデーを買ってみんなで分けてたべました。
 それに、真夏のたなぐさとりの時、今日はキャンデー屋さんが来たらと言って渡された5円を持ってたなぐさとりを頑張り、キャンデー屋さんのチリンチリンの鐘の音が聞こえてくると、県道まで飛んで行って待ちかまえたこともありました。父や母と分けて食べた美味しさはまた格別でした。
 ですから、真夏のなんとも言えないほどの暑さの中、砂利道を汗をかきかき自転車のペダルを踏んで、冷たい食べ物を売りにくるキャンデー屋さんの姿は、いつもたなぐさとりとともに思い出します。