私のおふくろの味に焼き餅がありました。
 私の子供の頃は、自給自足の生活のようなものだったので、食べ物は自分の家で収穫したものがほとんどでした。
 おやつの時間なんて、そんな言葉すら知らないで育ちましたが、農作業のお茶休みの時などに母は時々焼き餅を作りました。小麦粉の中に水など(卵でも入れば最上級)を入れて溶かして煉って俸禄の上などにのせて焼くのです。
 麦ご飯(私の子供の頃は米と麦の混ざったご飯を食べていました。)が食べ残ったときは、麦ご飯に小麦粉をいれて煉って焼き餅を作りました。お皿の上に砂糖を入れて、醤油でまぶした砂糖醤油を付けて食べました。飛び上がるほどの美味しさとまでは言えないまでも、何もなかった時代の食べ物としては楽しみの食べ物でした。
 また母は、麦ご飯を小麦粉でまぶして小判のように握り、うでたり蒸かしたりした餡この入っていない蒸かし饅頭のようなものを作りました。何と言ったのかは忘れましたが、焼いたのと煮たのとの違いだけでした。
 お茶休みに茶菓子をお店から買ってきて食べる習慣がなかった時代には、お茶休みなどに出てくる焼き餅は本当に楽しみなものでした。今でも懐かしいお袋の味です。