カラつゆ 田植え期過ぎちゃう!!
   
このままでは半作 東松山・急ぎ10か所で井戸掘り
 二十二日、おしめり程度の雨があったが、連日の晴天で東松山市、比企郡内では、河川や農業用水が枯れ、田植えの出来ない農家が続出している。中でも自家用井戸を持っていない農家は、ほとんどが手つかずの状態で、あと数日カラカラ天気が続けば、今年は田植えの時期をのがし、例年の半作になるのではないか − と深刻な表情だ。
 都幾川、越辺川のほか農業用水池が干上がって田植えが出来ないのは、東松山市高坂、唐子、野本地区と比企郡小川、川島、嵐山町、滑川村の一部。東松山市と県東松山農業改良普及所の調べによると、東松山市では、千百ヘクタールの水田面積のうち約四百ヘクタール、比企郡内では、約五千ヘクタールのうち五百ヘクタールが、田植え時期を過ぎているのに手つかずの状態だという。特に東松山市では、都幾川の鞍掛取水口かなど四か所から水を取っているが、今月十日ごろから川の水が減り出し、十五日ごろ完全に干上がってしまったため、十日以前に植えた農家と自家用井戸を持っている農家は、なんとかしのいでいるが、約二千八百戸の農家のうち約四割が、天を仰いで雨を待っている。
 また、比企郡内でも五千ヘクタールのうち約五百ヘクタールの農家が同様な状態だという。
 熊谷気象台の調べでは、県北地方の今月一日から二十二日までの雨量は約三十ミリ。また、今後の見通しとしては、局地的に降り、梅雨の傾向はないという。
 このため、東松山市では二十二日、各農家を巡回して状況を調査した結果、わずかな雨では対処できないとして、特に心配される十か所に井戸を掘ることになった。
     『読売新聞』1978年(昭和53)6月23日

   “もっと降れ” 天に祈る農家
 連日の晴天続きで田植えが遅れている東松山市、比企郡内では、二十三日午前一時から雨が降り出し、同日夕までの雨量は二十三ミリ(東松山市消防署調べ)だったが、土が完全に乾き切っているため焼け石に水。水田の土が深さ二センチほど湿った程度で、都幾川、越辺川は相変わらず干上がっている。
 このため、各農家では「あと三日ほど降ってくれなければ田植えはできない」と話しており、“雨よもっと降れ”と恵みの雨を待っている。
     『読売新聞』1978年(昭和53)6月24日

※熊谷地方気象台のHPに「埼玉県の主な災害」がある。「低温・高温(干天)・その他」の年表を参照。1933年(昭和8)の比企地方における干害についての新聞記事は、「比企地方の干害 1933年」に掲載。